研究活動
批判的エビデンス学(その他 20-)
医療から政策まで、昨今のエビデンスブームはその質の多様性、エビデンスを有効とする文脈(指標性、発話行為性、言い訳等)への考察が不足している。エビデンスが持つ多様なメタ機能やその限界を批判的に再検討する。(☞一部成果として「エビデンス異論」「エビデンスとは(そもそも)何か」等)
科学技術とアートワールドの相互関係(科研C 20-)
アートワールドを構成する複数の要素(アーティスト、画商、美術館、メディア、観客)が急激に変化するテクノロジ(特にAI, バイオ等)とどのように相互作用をするかを研究する。
(☞アート関係の英語論文、評論、モダンタイムズエッセイ等多数)
科学のシャドーワーク(科研B 終了)
科学的実践の表面的な活動の裏には、それを支える広範な持続的努力がある。他方、科学の評価システムは論文を中心に回っており、論文以外の諸活動の重要性を十分に評価できているとは言えない。その結果、さまざまな研究現場で、そうした活動への不満、ストレス、あるいは忌避といった現象がみられる。それらを複数の現場からの知見をもとに比較研究する。(☞「科学のシャドーワーク」論文集、科学技術社会論学会誌(予定))
科学/アート/デザインにおける実験性の比較研究(終了)
科学的発見の場であるラボと、建築やデザイン、さらにはアートの現場も集合的な実験性という意味での興味深い共通点がある。こうした共通特性を、領域横断的に比較検討する。2019年度は、特にアート製作において、情報化がその実際の製作過程にどのような影響を与えるかを考える。(☞『「実験」とは何か』(東大出版、予定))
宇宙科学の比較体制研究(16-)
宇宙科学はその性質上古典的な意味でのビッグサイエンスであるが、近年の組織編制、国際競争、その他の影響により、その実践形態が大きく変化しつつある。その変化の側面を比較研究する。特にNASA, ESAといった巨大規模の研究体制に対して、日本その他の仕組みがどう対応するかに関心がある。(☞「科学のシャドーワーク」論文等)
予測と社会(終了)
現代社会は、さまざまな技術を用いて、未来を構築しつつ進んでいくが、さまざまな分野での予測活動がその影響力を増大させている。地球温暖化、人口動態、あるいは経済動向といったさまざまな予測は、それ自体が社会を動かすインパクトをもつ。他方、地震予知のように、理論的に困難とされつつ、そこに巨額の投資が続く分野もある。こうしたさまざまなレベルでの予測活動と、その社会的インパクトを比較研究する。(☞編著『予測が作る社会』(東大出版))
ビック・データとライフサイエンス(14-)
ライフサイエンスやその他の知識生産のインフラにおいて、近年のビック・データ化がどのような働きをしているかを、様々な観点から観察する。また近年のM2M, IoT等が現在の諸インフラをどう変化させていくかにも興味がある。また計算機科学と生命科学の交差も重要な問題になる。(☞「データの多様な相貌」論文(『現代思想』誌特集等)
政治神学/市場/科学(13-)
現在人口に膾炙する、グローバルな流動云々という、基本的に市場モデルを擬したような流行の枠組み(新しさをてらうが、本質的に伝播論の現代版的焼き直し)に対して、もっとも強靭な抵抗を示す思想として、シュミットに代表される、政治神学についての問題系がある、という観点から、知識流通論とは異なる、政治的な理解のあり方を、宗教、法、政治の一体性を中心に(反科学、反市場も含めて)考察する。(☞次期執筆予定)
創薬の政治学(終了)
現在の創薬過程における困難、隘路をラボ、政策、産業のクロスする領域として分析する。特に期待が熱狂に変わり、バブルに変化していく過程に興味がある。(☞『真理の工場』(東大出版))
科学と政治のインターフェイス(終了)
タンパク3000に代表される、大規模な科学政策・実践を生み出した諸関係の分析、およびその大掛かりな仕組みが科学的実践自体の性質をどう変化させてきたかを、フィールドおよび歴史的に分析する。(☞『真理の工場』(東大出版))
設計概念の再検討(終了)
建築その他におけるデザイン、設計活動を対象に、社会を設計するという考え方に対する批判(ハイエクによる合理的設計主義批判)という概念と、モノを設計するという行為がどう関係するのか、その相互交渉を研究する。
科学現場における、リサーチパス、リサーチナヴィゲーション分析(終了)
理化学研究所を中心とした、主にケミカル・バイオロジの中核的なラボのフィールドリサーチ、および関連する学問領域の発達史。化学と生物学の中間領域にあるラボを中心にして、日本独自の学問的発展とグローバルなポスト・ゲノム時代の潮流とのかかわりを観察。ナノ・バイオロジ系ラボとの比較研究。ポスト・ゲノムの潮流の別の表れの一つの典型として、この領域が興味深い。
(☞『真理の工場』(東大出版))
救命救急センターにおける安全、組織学習、信頼性(終了)
大学付属センターでの救急医学の活動分析。
特に高信頼性組織(HRO)という観点を梃子に、救急現場でのコミュニケーション、組織等の微視的研究を行う。(☞『学習の生態学』(ちくま学術文庫))
精神医療における組織、学習、協同(終了)
精神病棟における日常生活と医療チームの活動その他。(☞『学習の生態学』(ちくま学術文庫))
タイにおける新仏教運動の政治と宗教(終了)
とくにタマカイ、サンティ・アソックといったセクト運動の研究。(☞Another Meaning of Meditation論文等)
スハルト体制下インドネシアにおける宗教と政治(終了)
保守系イスラム、ジャワ神秘主義、サミン運動といった諸宗教とその政治面。(☞『ジャワの宗教と社会』(ひつじ書房))
批判的エビデンス学(その他 20-)
医療から政策まで、昨今のエビデンスブームはその質の多様性、エビデンスを有効とする文脈(指標性、発話行為性、言い訳等)への考察が不足している。エビデンスが持つ多様なメタ機能やその限界を批判的に再検討する。(☞一部成果として「エビデンス異論」「エビデンスとは(そもそも)何か」等)
科学技術とアートワールドの相互関係(科研C 20-)
アートワールドを構成する複数の要素(アーティスト、画商、美術館、メディア、観客)が急激に変化するテクノロジ(特にAI, バイオ等)とどのように相互作用をするかを研究する。
(☞アート関係の英語論文、評論、モダンタイムズエッセイ等多数)
科学のシャドーワーク(科研B 終了)
科学的実践の表面的な活動の裏には、それを支える広範な持続的努力がある。他方、科学の評価システムは論文を中心に回っており、論文以外の諸活動の重要性を十分に評価できているとは言えない。その結果、さまざまな研究現場で、そうした活動への不満、ストレス、あるいは忌避といった現象がみられる。それらを複数の現場からの知見をもとに比較研究する。(☞「科学のシャドーワーク」論文集、科学技術社会論学会誌(予定))
科学/アート/デザインにおける実験性の比較研究(終了)
科学的発見の場であるラボと、建築やデザイン、さらにはアートの現場も集合的な実験性という意味での興味深い共通点がある。こうした共通特性を、領域横断的に比較検討する。2019年度は、特にアート製作において、情報化がその実際の製作過程にどのような影響を与えるかを考える。(☞『「実験」とは何か』(東大出版、予定))
宇宙科学の比較体制研究(16-)
宇宙科学はその性質上古典的な意味でのビッグサイエンスであるが、近年の組織編制、国際競争、その他の影響により、その実践形態が大きく変化しつつある。その変化の側面を比較研究する。特にNASA, ESAといった巨大規模の研究体制に対して、日本その他の仕組みがどう対応するかに関心がある。(☞「科学のシャドーワーク」論文等)
予測と社会(終了)
現代社会は、さまざまな技術を用いて、未来を構築しつつ進んでいくが、さまざまな分野での予測活動がその影響力を増大させている。地球温暖化、人口動態、あるいは経済動向といったさまざまな予測は、それ自体が社会を動かすインパクトをもつ。他方、地震予知のように、理論的に困難とされつつ、そこに巨額の投資が続く分野もある。こうしたさまざまなレベルでの予測活動と、その社会的インパクトを比較研究する。(☞編著『予測が作る社会』(東大出版))
ビック・データとライフサイエンス(14-)
ライフサイエンスやその他の知識生産のインフラにおいて、近年のビック・データ化がどのような働きをしているかを、様々な観点から観察する。また近年のM2M, IoT等が現在の諸インフラをどう変化させていくかにも興味がある。また計算機科学と生命科学の交差も重要な問題になる。(☞「データの多様な相貌」論文(『現代思想』誌特集等)
政治神学/市場/科学(13-)
現在人口に膾炙する、グローバルな流動云々という、基本的に市場モデルを擬したような流行の枠組み(新しさをてらうが、本質的に伝播論の現代版的焼き直し)に対して、もっとも強靭な抵抗を示す思想として、シュミットに代表される、政治神学についての問題系がある、という観点から、知識流通論とは異なる、政治的な理解のあり方を、宗教、法、政治の一体性を中心に(反科学、反市場も含めて)考察する。(☞次期執筆予定)
創薬の政治学(終了)
現在の創薬過程における困難、隘路をラボ、政策、産業のクロスする領域として分析する。特に期待が熱狂に変わり、バブルに変化していく過程に興味がある。(☞『真理の工場』(東大出版))
科学と政治のインターフェイス(終了)
タンパク3000に代表される、大規模な科学政策・実践を生み出した諸関係の分析、およびその大掛かりな仕組みが科学的実践自体の性質をどう変化させてきたかを、フィールドおよび歴史的に分析する。(☞『真理の工場』(東大出版))
設計概念の再検討(終了)
建築その他におけるデザイン、設計活動を対象に、社会を設計するという考え方に対する批判(ハイエクによる合理的設計主義批判)という概念と、モノを設計するという行為がどう関係するのか、その相互交渉を研究する。
科学現場における、リサーチパス、リサーチナヴィゲーション分析(終了)
理化学研究所を中心とした、主にケミカル・バイオロジの中核的なラボのフィールドリサーチ、および関連する学問領域の発達史。化学と生物学の中間領域にあるラボを中心にして、日本独自の学問的発展とグローバルなポスト・ゲノム時代の潮流とのかかわりを観察。ナノ・バイオロジ系ラボとの比較研究。ポスト・ゲノムの潮流の別の表れの一つの典型として、この領域が興味深い。
(☞『真理の工場』(東大出版))
救命救急センターにおける安全、組織学習、信頼性(終了)
大学付属センターでの救急医学の活動分析。
特に高信頼性組織(HRO)という観点を梃子に、救急現場でのコミュニケーション、組織等の微視的研究を行う。(☞『学習の生態学』(ちくま学術文庫))
精神医療における組織、学習、協同(終了)
精神病棟における日常生活と医療チームの活動その他。(☞『学習の生態学』(ちくま学術文庫))
タイにおける新仏教運動の政治と宗教(終了)
とくにタマカイ、サンティ・アソックといったセクト運動の研究。(☞Another Meaning of Meditation論文等)
スハルト体制下インドネシアにおける宗教と政治(終了)
保守系イスラム、ジャワ神秘主義、サミン運動といった諸宗教とその政治面。(☞『ジャワの宗教と社会』(ひつじ書房))
研究内外諸活動
Sociological Review誌 Editing Board Member(14ー)
英国社会学三大誌のひとつで、モノグラフシリーズは特に有名であるが、今年から編集委員会のメンバーに
日本科学技術社会論学会理事(13-)
アジア・太平洋科学技術社会論ネットワーク(APSTSN)幹事(12-14)
文部科学省 「特定の研究組織に関する総合的ベンチマークのための調査」プロジェクト委員会(08-)
特定の大学および研究組織をピックアップして、その間の特徴的な差などを比較検討する。
理化学研究所(中央研究所) 客員研究員(07-)
文部科学省 科学技術政策研究所(NISTEP) 客員研究員(06-)
内閣府 原子力安全委員会 安全文化研究会座長(01ー02)
安全文化といった概念を中心に、特に組織論、文化論と原子力安全がいかにかかわるかを主に討議した。高信頼性組織論もここで取り上げた。
認知科学学会 文化・システム・身体分科会主査(93ー95)
特にシステム論的なアプローチと、生態学的心理学、身体論などの相互関係を追及した。
Sociological Review誌 Editing Board Member(14ー)
英国社会学三大誌のひとつで、モノグラフシリーズは特に有名であるが、今年から編集委員会のメンバーに
日本科学技術社会論学会理事(13-)
アジア・太平洋科学技術社会論ネットワーク(APSTSN)幹事(12-14)
文部科学省 「特定の研究組織に関する総合的ベンチマークのための調査」プロジェクト委員会(08-)
特定の大学および研究組織をピックアップして、その間の特徴的な差などを比較検討する。
理化学研究所(中央研究所) 客員研究員(07-)
文部科学省 科学技術政策研究所(NISTEP) 客員研究員(06-)
内閣府 原子力安全委員会 安全文化研究会座長(01ー02)
安全文化といった概念を中心に、特に組織論、文化論と原子力安全がいかにかかわるかを主に討議した。高信頼性組織論もここで取り上げた。
認知科学学会 文化・システム・身体分科会主査(93ー95)
特にシステム論的なアプローチと、生態学的心理学、身体論などの相互関係を追及した。
職歴
東京大学大学院・総合文化研究科・教授(現職)
国際大学助教授
東京大学大学院・総合文化研究科・教授(現職)
国際大学助教授
教育歴
東京大学大学院社会学系(文化人類学)修士・博士課程(学術博士 2000年5月)
東京大学教養学部
パリ国立高等鉱山学院(Ecole National Superier des Mines de Paris)イノベーション社会学研究センター(CSI)客員研究員(03)
主にアクターネットワーク理論で有名な、Callon, Latourらのいるところ。現在はだいぶ代替わりしてしまい、科学社会学色が薄まってきている。
ロンドン大学政治経済院(LSE) 客員研究員(90ー92)
社会人類学のメッカの一つであるが、当時認知科学でもそれなりに活発な活動をしていた。近くのUCLではSperber,Wilson(語用論における関連性の理論で有名)、また自閉症の研究もさかんで、多くの知見を得た。
東京大学大学院社会学系(文化人類学)修士・博士課程(学術博士 2000年5月)
東京大学教養学部
パリ国立高等鉱山学院(Ecole National Superier des Mines de Paris)イノベーション社会学研究センター(CSI)客員研究員(03)
主にアクターネットワーク理論で有名な、Callon, Latourらのいるところ。現在はだいぶ代替わりしてしまい、科学社会学色が薄まってきている。
ロンドン大学政治経済院(LSE) 客員研究員(90ー92)
社会人類学のメッカの一つであるが、当時認知科学でもそれなりに活発な活動をしていた。近くのUCLではSperber,Wilson(語用論における関連性の理論で有名)、また自閉症の研究もさかんで、多くの知見を得た。
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